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え!?登記識別情報が通知されない(゚Д゚;)

 以前、あるお客様(以下、Aとします)から不動産売却に伴い、売却の際に必要な登記識別情報がない旨の連絡がありました。つい、数年前に相続登記した物件なので司法書士から登記識別情報が届いているはずでしたが、最後まで見つかりませんでした。

 そもそも登記識別情報というものは何のか、勉強してみました。

 2005年に不動産登記法が大改正されました。改正前までは登記済証という、いわゆる「権利証」というものが交付されていました。改正後は、権利証の代わりに登記識別情報というものが通知されます。その通知書には、登記所が無作為に選んだ12桁の英数字からなっています。

 そもそも、登記識別情報通知は誰に通知されるのか。これは不動産登記法21条に規定されています。

 「登記官は、その登記をすることによって申請人自らが登記名義人となる場合において、速やかに当該申請人に対し、当該登記にかかる登記識別情報を通知しなければならない。」

 この「申請人自らが登記名義人となる」場合がAに交付されなかった理由のようです。

 登記には代位登記というものがあります。代位登記は、債権者が自己の債権を保全するために、民法第423条の規定により債務者の登記申請権を代位行使して、債権者が債務者の代わりに代位登記をするということです。つまり、債権者が債務者に代わって、必要な登記(相続登記)をするということになります。

 Aには、母親、父親と妹がおり、数年前に父親が亡くなって、相続することとなりました。Aには消費者金融(X)から多額の借金があり、Aは返済を滞っている状況が続いていました。その折にXが、Aに父親から相続した不動産があることを知り、Aの持分に仮差押の登記を行うべく、Xが、A、母親及び妹の相続登記の代位登記を行い、A持分に仮差押の登記を入れました。

 その後、これを知った母親がAの債務を肩代わりし、Xに返済して仮差押の登記を抹消した経緯がありました。

 以上の場合、Xが行った相続の代位登記において、Aと母親、妹には登記識別情報が通知されません。不動産登記法第21条は、「①申請人自らが、②登記名義人となる」と定めているためです。

 ②の登記名義人は、Aと母親、妹のため、クリアしています。

 ただし、①の申請人自らというところに関しては、相続の代位登記を行ったのはXのため、Aと母親、妹には登記識別情報は通知されないということです。ちなみにXにも登記識別情報は通知されません。Xは②の登記名義人にならないからです。

 なかなか経験しないレアケースでしたので、勉強になりました。他にも登記識別情報が通知されないケースがあるようですが、機会があればまたアップします(`・ω・´)ゞ

 体育教師 板垣

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