前回説明させていただきました通り、一身専属的な権利であることから、配偶者の死亡により配偶者居住権は消滅します。
これも前回触れましたが、遺産分割の協議などで期間を定めた場合には期間満了により権利は消滅します。期間の延長や更新はできないことになってます。
対象の建物の全部が滅失してしまった場合や一部滅失で使用・収益が出来なくなった場合には権利が消滅します。
建物所有者が死亡し、配偶者が単独でその相続人となった場合は権利が消滅します。なお、建物が共有となっていて、共有者の一人が死亡して配偶者が単独で相続人となった場合には権利は消滅しません。これは、共有物分割請求という方法により建物に居住できなくなる可能性があるからです。
共有物分割請求の解説:https://kyoyufudosan.com/partition
前回説明しました建物の使用方法に、配偶者の違反行為があった場合には、建物所有者は相当の期間を定めて違反行為の是正を求め、配偶者がこれに従わない場合には消滅請求が出来ることになっています。なお、建物が共有となっている場合には、各共有者はそれぞれ単独で消滅請求を行うことが出来ることになっています。
以上の他、放棄による消滅や合意解除による消滅もあります。合意による消滅の場合に注意が必要なのは、建物所有者の承諾を得て配偶者が建物を第三者に使用・収益させていた場合、合意により配偶者居住権を消滅させてもこの第三者に消滅を対抗(配偶者居住権が消滅したから退去してくださいという主張)は出来ません。
当然建物所有者への返還義務を負います。返還を行う際、配偶者が相続発生後の使用継続中に、建物に付属物を設置したような場合にはこれを収去しなければなりません。なお、通常使用による経年劣化の補修義務はありませんが、毀損や損傷を生じさせた場合には原状回復義務を負います。
以上、配偶者居住権を勉強してみた!でした。