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相続が起こった時のこと(配偶者居住権その2)

配偶者居住権が成立するためにはどんな事情が必要なのでしょうか

前回の記事で次の2つの要件があることまでお話しさせていただきました。

A.配偶者が被相続人所有の建物に相続発生時に居住していた事。

B.配偶者に、配偶者居住権を取得させる旨の、遺産分割または遺贈または死因贈与がなされている事。

この2点について少し掘り下げて勉強してみました。

Aについて気を付けたいこと

「配偶者」であり、「内縁関係」は含まれない事です。つまり、法的に婚姻関係があった者に限定されています。

「被相続人所有建物」であり、「借家」は含まれない事です。また、建物を被相続人が配偶者以外の他者と共有している場合も原則として配偶者居住権の成立要件に該当しません。(配偶者との共有は例外で認められます。)

「相続発生時に居住していた」とは、「当該建物を生活の本拠としていた」ということで、例えば相続発生時には病気で医療機関に入院していても退院後は当該建物に帰る予定で生活に必要な物品が当該建物に保管してあるような場合は「居住」の要件は満たされます。

Bについて気を付けたいこと

遺産分割による配偶者居住権の取得の場合、遺産における配偶者の本来の相続分の中で配偶者居住権を取得します。この遺産分割の手続きに関しては、家庭裁判所に遺産分割の審判を求めることが出来ます。家庭裁判所では、

「配偶者の配偶者居住権取得について共同相続人全員の合意があるとき」

または

「建物所有者が被る不利益を考慮してもなお配偶者に配偶者居住権を付与すべき事情が認められるとき」

に配偶者居住権を認める取り扱いです。

被相続人が遺言により配偶者に配偶者居住権を取得させるためには遺贈によらなければなりません。この遺贈による配偶者居住権の取得には、婚姻期間20年以上経過している夫婦の場合、特別受益の対象にはされないことになっております。

特別受益について(遺産分割Q&A¥|裁判所)のQ14をご参照ください

被相続人は生前に配偶者との間で配偶者居住権に関する死因贈与の契約を締結することも出来るようです。配偶者居住権について民法の条文上で死因贈与の規定はなされていませんが、死因贈与については遺贈に関する規定が準用されるので、死因贈与に基づき配偶者居住権を取得できると考えて差し支えないようです。

次回は、配偶者居住権の具体的な内容を勉強して紹介させていただきます。

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